豊かな生活、強い意志に呪いはいらない、大木になる。
冬だった
昨年までずっと呪いの季節だと思っていた冬
ひたひたと足音が聞こえて、ひたひたの音を聞きながら毎日諦めたみたいに笑ったり困ったりしてみていた冬だった
忘れてしまうほど呪いは遠くへ行った
私を通り過ぎて別の誰かの後ろを歩く呪いになっていったんだと思う
忘れてしまうくらい、ひたひたは聞こえなくなった
寂しい もう一生会いたくない呪い
呪いがなくなった私はつまんない つまんないヒトになってとても残念
わたしはもう一度、爆竹になれるだろうか
誰のことも傷つけない爆竹になれるのかな
いつだってずっと火花が欲しい 自爆が好き
あり得ない、信じられない、おかしいよ、
笑ってほしい
そのためにずっと爆発していたのに
燃料がないんだね、たぶん。
何が撮れるかな?
未来のことを考える、ところに連れて行かれるベルトコンベアに乗せられて
わたしはその施設ごと破壊して全部失くしたいけど、今は燃料がないからせめて、きみだけでも連れ去りたい。わたしは連れ去らないから、楽しい大人に連れ去られてほしい。
連れ去られる何て似合わないからきみはベルトコンベアだけでなく施設ごと破壊する。
わたしはそれを見て、せめてもの燃料でスイッチを止める。
つまんない、箱舟にきみは乗らない。
つまんない箱舟にはつまんない人をぎゅうぎゅうに詰めて、シンプルだけどご飯と音楽を忘れない箱舟にきみをのせたい。
運が良ければわたしも乗りたい。
わたしは去年の冬、呪われなかったのはきみがいたからだと思う。
呪いは、きみとの美味しいご飯と美しい歌がきらいだったんだな
破壊をしないきみの、創造力に呪いはいらない。